一般社団法人熊谷青年会議所は20歳から40歳の熊谷地域に勤務している、または住んでいる人々からなる団体です。

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理事長所信

理事長所信

熊谷青年会議所 72代理事長 田代嘉昭

【 はじめに 】
この時代に青年会議所は必要なのか。
このまちに青年会議所は必要なのか。

 創立71周年という、新たなスタートを切る本年2023年度。新型コロナウイルスの猛威が残した爪痕は、未だに社会に甚大な影響を及ぼし続けています。「ニューノーマル」と言われる新たな生活様式へと社会が大きく変化する中で、私たちの進路を思い描くに際し、この問いを立てざるを得ませんでした。
 昨今では、ウィズコロナ時代、そしてポストコロナ時代の社会の在り方について、多くの研究結果が報告されています。その中で共通のキーワードとして挙げられるのは「デジタルシフト」と「地方分散型社会」であります。
 「デジタルシフト」とは、企業活動や消費活動、また行政や教育などあらゆる分野でデジタル化が進んでいくことです。そしてそれを背景に急速に進むといわれているのが「都市集中型社会」から「地方分散型社会」への転換です。多くのことがオンライン上で処理され、また職場や教室もリモートで有機的につながれることから、人々は、より仕事と子育て、また介護などの両立が出来る居住地を選択するようになると言います。なかには、最も出生率が低いのは東京都であるので、日本が持続していくためには地方分散していくしかないという研究結果もあります。
 では、私たちの愛するまち熊谷が、来る地方分散の流れの中で、多くの市民に選ばれ、これからも住み続け、また訪れて続けていただくために、我々は何をすべきでしょうか。その点、私はこの先、「デジタル化されないもの」の価値がより高まっていくものと考えます。多様な「個性・文化・産業」という魅力を有するこの熊谷において、この「デジタル化されないもの」の価値がさらに高まれば、他地域との差別化につながり、市民が未来に希望や期待を描くことが出来る持続可能な社会になるのです。したがって、その価値を高め、それを地域内外に向けて発信し、熊谷の魅力を高めるための運動が今求められていると考えます。
 熊谷青年会議所の先輩諸兄姉は、その時代時代において、まちの課題に向き合い、その手法を変化させながら、明るい豊かな社会を目指すという運動を連綿と続けてこられました。運動の前提となる社会の生活様式は様変わりしましたが、やはり私たちのなさねばならないことは目の前に大きく存在しています。本年度もその創始の精神を引き継ぎ、新たな時代の熊谷を創造していく青年会議所運動を推進してまいります。


【 今こそJCの価値をアップデートしよう! 】
 冒頭の問いに答えるには、まずはメンバー自身が青年会議所について、誰よりも理解を深める必要があります。昨今、熊谷青年会議所では会員数が減少し、また平均在籍期間が短くなるなどの結果、組織内で「青年会議所とは何か」という理解が継承されにくくなっている現状があります。また、たとえ継承されていたとしても、そこに個人の解釈が含まれてしまっていては、本来の意味とは徐々にかけ離れてしまっているでしょう。
 ACFアクティブ・シチズン・フレームワークに代表される青年会議所の根本的な考え方を、どのように運動に落とし込んでいくかは、常に進化しています。また、他地域の青年会議所の運動の事例も進行形で集積されています。我々の運動をより良いものにするためには、それらを継続的にキャッチアップしていくことは必要不可欠です。加えて、青年会議所に入会し活動をする中で、メンバー自身にどのような良い変化が生まれるかも、同時に理解することが参加意識の変化において必要があるのはいうまでもありません。
 そこで、今一度全メンバーが、青年会議所とは何かを学び、その価値を考え共有する場を構築致します。そのことによって、常に本質を見極める姿勢を持ちながら、地域にインパクトを与え続けるメンバーと組織を構築してまいります。


【 組織のランドマークを大きく育てよう! 】
 昨年度、新たな継続事業である「熊谷ジモト化プロジェクト」が始動しました。この継続事業は、地域の「防災・減災」を全体のテーマとしながら、参加者と熊谷の多様なヒト・コト・モノをつなぐことで、「熊谷に対する愛着を高めること」および「熊谷青年会議所の認知度を高めること」を目的として実施致しましたが、当日は多くの市民にご参加いただき、熊谷青年会議所のランドマークとしての第一歩が踏み出せました。
 昨今、日本の多くの地域で、自然環境の変化により災害が激甚化する中で、「自助・共助・公助」の力、その中でも特に「共助」の原動力となる「地域の人々のつながり」という「デジタル化されないもの」の価値が高まっています。それは、平時から災害に対して 備えを持つ強いまちを作ることは、これからの地方分散型社会において市民に選ばれるための大きな要素であるからです。そのため、この継続事業を、一過性の事業だけでなく広く地域内に浸透を図り、また地域外の市民にも熊谷の魅力の一つとして積極的にPRすべきであると考えます。
 そこで、本年も多くの関係団体とパートナーシップを結びながら、事業を構築することに加えて、このような取り組みを地域内外に発信し、組織のランドマークとしての効果も最大化してまいります。


【 お互いを認め尊重し合う、地域の力を高めよう! 】
 熊谷青年会議所運動指針(2022−2026)が策定され、彩りを調和させ「躍動し続けるまち熊谷」を創造するための運動が始まりました。その運動指針の中の重要なキー ワードの一つが「多様性」です。多様性が高まることによって、異なる価値観や意見のコラボレーションによって、イノベーションのきっかけとなり、より強靭な社会が形成されるのです。また近年、社会的に重要視されている概念として「ウェル・ビーイング」があります。これは心身と社会的な持続的な健康を意味するものであり、多様性と切り離すことのできない概念です。なぜなら、子どもからお年寄り、またハンディキャップの有無などに関わりなく、多様な全てのひとが生き生きと健康的に生活することが出来る社会は、お互いを認め合い価値観を尊重し合うしなやかで持続可能な社会となるからです。そのため、このような、「多様な市民が織りなす持続可能性」という地域の力もまた、将来「デジタル化されないもの」であり、熊谷においてその価値を高めていくことが必要だと考えます。
 そこで、人格形成期である子どもたちを中心としながらも、それだけではなく大人や高齢者、ハンディキャップのある方も含め、多くの市民を対象に、お互いを認め合い価値観を尊重し合う場を構築し、地域の力を高めるとともに、それを地域内外に発信し、熊谷の魅力を高めてまいります。


【 仲間を集め、ともに青年経済人としての力を高めよう! 】
 近年、熊谷青年会議所では、会員数の大幅な減少が続いています。会員数の減少は、運動の規模が縮小してしまうと同時に、メンバー同士の切磋琢磨の機会も奪ってしまいます。熊谷青年会議所は未来の熊谷を担う青年経済人の学び舎であります。したがって、会員の拡大は、ひいては未来の熊谷のために行うものと言っても過言ではありません。組織の存続をかけ、最重要課題の一つとしてメンバー全員が当事者意識を持って会員拡大を行ってまいります。
 また、青年会議所活動の中には、自身の仕事にも生かすことができるような様々なスキルの習得と実践の機会があります。しかしながら、我々は、それらの多くを専門的に学んだわけではないため、現在最良の方法で実施出来ているのかは疑問です。正しい方法で行ってこそ、効果は最大になると言えるのです。そこで、まずは、外部の専門家の方から、青年会議所活動で用いる重要なスキルについて学ぶ機会を作ります。そしてその後の事業や例会をその実践の場として位置づけ、その定着をはかり、応用として自身の仕事に活かし青年経済人としての力を高めてまいります。


【 組織の潤滑油となり、発信し組織のブランディングをはかる! 】
 組織の連絡調整や、備品の貸し借りなどが遅滞なく円滑に進み、同時に各委員会が事業に専念し大きな成果をあげるには組織の潤滑油たる事務局の存在が欠かせません。また事務局は、各会議体の設営や情報発信である定期発送なども行い、まさに組織の運営の要として機能していただきます。また、昨今様々な、連絡手段や進捗管理あるいはオンライン会議などのWEB上のサービスが登場しています。それらを積極的に取り入れ、業務の効率化を図り、有用なものは各委員会にアナウンスし全体の底上げを図ってまいります。
 また、熊谷青年会議所はこれだけ歴史のある団体ではありますが、市民の認知度は決して高いとはいえない現実があります。そこで、ホームページやSNS、またポスターや広報媒体なども利用し、これまでのような事業ごとの周知だけではなく、熊谷青年会議所自体の周知、広報を行うという視点を持って、積極的なブランディングを行ってまいります。


【 むすびに 】
 私たちは今時代の大きな転換点の中にいます。人口減少社会なだけではなく、「デジタルシフト」「地方分散型社会」の到来によって、人々はより良い生き方の実現のために、今までよりもっと自由に住み暮らす場所を選択できるようになっていきます。私たちの愛するまち熊谷も、選び続けられるよう、訪れ続けてもらえるようその魅力を磨き続けて行かなければなりません。
 改めて、「この時代に青年会議所は必要なのか。」「このまちに青年会議所は必要なのか。」この二つの問いに対する答えはどちらも「必要」であると答えます。そこに人々がいて、その営みを続けている以上、私たちがなすべきことは必ずあります。

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